2013年8月29日木曜日

納田裕加個展 絵と納玉と織

絵と
 納玉と
 織

納田裕加さん待望の個展が8月30日(金)から、
長野・茅野にあります「アノニムギャラリー」で行われます。

「アノニムギャラリー」では、小森谷章さんに続く、
工房集メンバーの展覧会になります。

納田さんは、工房集でも最古参メンバーの一人。
川口太陽の家に入所したのは、1985年。
28年の大ベテラン、一言一言の重み、
みぬま福祉会のことを語らせたら右に出るものはいません。

そんな納田さん。
夢は、個展を開くこと。
織を始めてからは20年以上、ずっと織り続けています。
とは言っても、職人気質、頑固、自分のスタイル、信念…、
そんなものとは無縁、新しいことが大好き。
普通に織るだけでは飽き足らず、
織り糸の切れ端を集め、丸めて織の中にいれたり、
フェルトの原毛をいれてみたり、
常に新しいアイディアを取り入れています。
さらに、織だけでなく、ここ数年では絵画やオブジェづくりも始めました。

こと、作品に関しても、
他人の表現をパクる?いやいや、流行りや手法を積極的に取り入れます。
ただ、本人は意識していないかもしれませんが、
納田さんは半端なく強いんです。かなわないんです。
渡邉あやさんの作品に似てる?
小森谷章さんの作品に似てる?
そんなこと言わせない、納田さんがつくれば、納田さんの作品になってしまうんです。

日常生活でも、
いろいろなことが気になりながら、
つらいことに心を揺らしながら、
ブツブツ、ボソボソ、
でも、やはり、納田さんは強いんです。かなわないんです。

納田さんの
大小さまざまな50点を超える作品群が並びます。
「アノニムギャラリー」は、築120年余の古民家を改築したギャラリー。
とても素敵な空間です。居心地がとてもいい。
ぜひ、お出かけください。

夢は、個展を開くこと。でした。
さあ、納田さん、次の夢は何でしょう。まだまだ。
今度は一体誰の作品の影響を受けるのでしょうか?
ずっと、重みのある大ベテラン健在で。
納田さんは強いんです。かなわないんです。
あれだけ原色の服が着られれば大丈夫。


「納田裕加個展 絵と納玉と織」
期間:2013年8月30日(金)-9月24日(火)
時間:10:00-18:00 水・木曜定休
会場:アノニムギャラリー 長茅野市湖東4278

2013年8月23日金曜日

「うふっ。どうしちゃったの、これ!?~埼玉の作家たち」


昨年12月に、埼玉県立近代美術館で開催された
埼玉県内から公募した作品を、
同じく県内の福祉施設の職員や学生が、
ワークショップ形式で企画・運営をした企画展。
「どうしちゃったの、これ?」って口にしてしまうような、
オモシロい作品が、埼玉にもワンサカあることに気付かされました。
同時にワークショップのメンバーをはじめ、
こうした動きがどんどん浸透しつつあると実感できました。
共感・共有できる仲間が増えました。
今年も、展覧会の開催が決まっていて、すでに動き出しています。

そして、この度、8月29日から、
東京・アーツ千代田3331にある「A/A gallery」にて、
出展作品の中から、さらにピックアップした展覧会が行われることとなりました。

シリーズ「存在と生活のアート」の第8弾として位置づけられているこの展覧会。
そこには
『表現されたモノだけでなく、そこから生まれる「コト」も含めて立ち現れるアート。
「人間が生きる」をさまざまな形で見せる展覧会シリーズです。』
とあります。

ただ、作品を公募して美術館に展示するだけではなく、
そこに至るプロセスをワークショップ形式にして、
関わる人たちの思いも形にしてきた展覧会。
展覧会を継続していくことで、
工房集のような活動、
「どうしちゃったの、これ」と微笑んでくれる人、
自分も表現しているという人、自分でも表現したいという人、
ウチにはこんなスゴいものをつくっている人がいるんだと発信したい人、
もっともっと増えていけばというコンセプト。
そのコンセプトが生み出した埼玉の中での新しいつながり、うねり。

作品を展示するギャラリーですので、
なかなか熱まで伝わるのは難しいかと思いますが、
(ぜひこちらは、一緒に参加してくださる、もしくは埼玉での展覧会で)
作品の魅力は全開です。

工房集からも、
緑川悠貴
 箕田哲実

2人の作品が出展されます。

期間中、9月7日(土)には、関連トークイベントとして、
展覧会やワークショップのディレクションを担当された中津川浩章さんと、
ワークショップのメンバーを中心に、展覧会づくりを通して見えてきたことを、
福祉施設と地域の2つの目線から話し合います。

どちらも、ぜひ。


シリーズ 存在と生活のアートVol.08
「うふっ。どうしちゃったの、これ!?~埼玉県の作家たち」
期間:2013年8月29日(木)-9月15日(日)
時間:11:00-19:00 木曜-日曜のみ開廊 9月13日(金)は17:00まで
会場:A/A gallery 東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 #208
主催:NPO法人エイブル・アート・ジャパン
協力:埼玉県障害者アートフェスティバル実行委員会事務局

関連トークイベント
「障害とアート研究会」
2013年9月7日(土)15:00-
参加費 500円(1ドリンク付)

2013年8月20日火曜日

「EXIT 」 本間充広・田村美弥・高橋創 三人展


今年度、工房集ギャラリーでの初展覧会になります。

タイトルは「EXIT」。出口。

同法人・太陽の里のPOPOというグループに所属している
本間充広、田村美弥、高橋創による三人展です。
これまで、なかなか日の目を見ることはなかったけれども、
毎日毎日、同じイメージをひたすら描き続けている3人にスポットを当てます。

本間充広 Mitsuhiro Honma  1980年生まれ

田村美弥 Miya Tamura  1969年生まれ

高橋創 Hajime Takahashi 1965年生まれ

工房集は、みぬま福祉会のメンバーの表現活動を社会につなげていくプロジェクト。
昨年9月の東京都美術館での展覧会では、120名を超えるメンバーの作品を展示、
一つの集大成という形では発表できましたが、大規模な法人、実は、まだまだ…なのです。

表現がまだカタチになっていないメンバー。

メンバーは120名で全員ではありません。
全員が表現活動に取り組むべきだとは考えていませんが、
こちらの枠で、表現活動が“できる”“できない”とするのではなく、
日々向き合う中で、その人の表現、思いや行為を引き出し、
その表現をうまく形にしていこうと、可能性を探っています。

もう一方で、
すでに表現活動をして、形になっているメンバー。
ただ、所属先の環境によって、外部からの作品としての評価によって、
などなど様々な要因から、これまでなかなか日の目を見なかったメンバーもいるのです。
ひたすら生み出し続けているにも関わらず。

「ねえ、俺の絵、どう思う」

ほとんどのメンバーが、
自分の作品を多くの人に見てもらいたい、
そんな機会、場がほしいと強く願っています。
自分の想いを表現して、人に理解してもらいたい、
人とつながりたい。

どんな作品も素晴らしい、全て平等に評価されるべきだ、

などと考えているわけではありません。
ただ、どのメンバーの表現も、
日常を重ねながら、本人と向き合いながら、
あらゆるカタチを模索し、社会につなげていきます。

今回取り上げた3人も、
毎日毎日、同じイメージをひたすら描き続けています。

悶々としながら、グルグルしながら、
バーッと外に飛び出すイメージを待ち望みながら。

描きためられた膨大な作品。
作品に込められた深い思い。

外部のギャラリーではなく、
工房集のギャラリーでしかできない展覧会。
一つのカタチとして。

3人にとってどれだけ意味のあることなのか。
観る側にとっても、工房集ギャラリーで3人の作品に触れることが、どう心を揺らすのか。

ぜひ、ご観覧ください。


「EXIT」 本間充広・田村美弥・高橋創 三人展
期間:2013年9月10日(火)-9月20日(金)
時間:10:00-17:00 無休 9月14日(土)15日(日)16日(祝)の3日間のみカフェオープン
会場:工房集ギャラリー 埼玉県川口市木曽呂1445
イベント:オープニングパーティー 9月14日(土)15:00-17:00